【見落とし注意】事務所から倉庫への用途変更に許可は必要?

✅ そもそも「用途変更」とは?
建築基準法では、建物の「用途」が法律上で分類されています。
「事務所(事務所用途)」と「倉庫(倉庫業を営む倉庫等)」は別の用途区分に該当するため、
ある一定の条件を満たすと**「用途変更に伴う確認申請」が必要**になります。
✅ 建築基準法で確認申請が必要になるケース
以下の両方の条件を満たす場合は、建築確認申請が必要になります。
① 用途の変更(事務所→倉庫)
倉庫は「特殊建築物」の一部として扱われ、用途区分が異なる
② 建築物の延べ面積が200㎡を超える
建築基準法第87条により、延床200㎡超の用途変更には建築確認申請が必須
📌つまり、延床201㎡以上の事務所を倉庫用途に変えるには、基本的に申請が必要です。
✅ 200㎡以下なら申請不要なのか?
原則として「200㎡以下」であれば確認申請は不要とされていますが、次の点に注意が必要です:
構造変更を伴う場合(例:シャッター設置、床補強など)は別途確認が必要な場合あり
消防法・都市計画法・条例など他法令の規制を受ける可能性がある
テナントビルなどの場合、建物全体として用途変更の影響が出ることも
👉 小規模であっても「許可不要」とは断言できず、事前に行政と協議するのが安全です。
✅ 消防法上の注意点
「事務所」は人の出入りが多い場所であり、「倉庫」は物品を大量に保管する空間です。
そのため、用途が変わることで必要な消防設備が変わることがあります。
用途 | 必要な設備の違い(例) |
---|---|
事務所 | 自動火災報知設備、避難誘導灯など |
倉庫(物品保管) | 倉庫規模や天井高に応じてスプリンクラー・熱感知器・煙感知器の追加が必要なことも |
📌 倉庫で保管する物品が危険物に該当する場合は、別途「危険物施設等の届出」も必要になります。
✅ テナント・賃貸物件での用途変更の場合
オーナーの承諾が必要(賃貸契約での制限あり)
管理会社を通じて建築確認済証や用途地域・延床面積を確認
ビル全体が防火対象物として扱われるため、他フロアへの影響も検討要
👉 無断で用途変更すると、契約違反・強制退去・消防検査NGになるリスクがあります。
✅ 事務所→倉庫変更時の確認チェックリスト
チェック項目 | 内容 |
---|---|
延床面積 | 200㎡を超えるか?(超えたら建築確認申請が必要) |
建築用途区分 | 既存が「事務所」、変更後が「倉庫」になるか? |
内装・構造変更の有無 | 間仕切り・設備・出入口の工事があるか? |
消防設備の変更 | 感知器・スプリンクラーの要否チェック |
土地の用途地域 | 倉庫用途が許可されている地域か? |
「小規模だから大丈夫」は危険。事前相談が最善策
事務所から倉庫への変更は延床面積が小さい場合でも、用途が異なるため法的には「用途変更」に該当する可能性が高く、
安易に着手すると後からの是正命令・使用停止・保険非適用などの重大リスクを伴います。
📌 計画段階で一度、建築士・行政(建築指導課・消防署)に相談し、「確認申請の要否」をクリアにしておくことが鉄則です。
倉庫建設のプロセスでは、各段階での効率的なコスト管理と品質確保が鍵となります。弊社のコンストラクション・マネジメント方式を通じ、コスト削減と高品質な倉庫建設を提供することを目指しています。倉庫建設に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。