倉庫が建てられる地域は?

用途地域ごとの特徴と注意点を解説【建設マネジメント視点】
物流の拠点として重要な役割を担う倉庫。近年ではEC市場の拡大や、BCP対策、サプライチェーンの再構築に伴い、新たに倉庫建設を検討する企業が増えています。
しかし、「そもそもこの土地に倉庫は建てられるのか?」という根本的な疑問を抱える担当者も少なくありません。
日本では都市計画法に基づき、土地は「用途地域」に分類されており、それぞれの地域で建てられる建物が明確に制限されています。
この記事では、倉庫の建設が可能な用途地域とその特徴、選定時の注意点について、建設マネジメント(CM)会社の視点から解説します。
✅ 倉庫が建てられる主な用途地域
用途地域は全部で13種類ありますが、倉庫の建設が可能なのは主に以下の4つです。
1. 工業地域(こうぎょうちいき)
特徴:騒音・振動・排気などの発生が想定される施設も許容される地域
建てられる施設例:製造工場、大型物流倉庫、危険物倉庫
メリット:最も自由度が高く、面積の大きな倉庫でも対応可能
注意点:インフラや道路整備が不十分な場合もある
2. 準工業地域(じゅんこうぎょうちいき)
特徴:住宅との共存を前提に軽工業や物流施設が建てられる地域
建てられる施設例:中小規模の倉庫、配送センターなど
メリット:利便性が高く、雇用確保にも有利
注意点:近隣住民への配慮が必要。大型トラックの通行制限があるケースも
3. 無指定地域(用途地域外)
特徴:用途地域が指定されていない、主に郊外や地方の土地
建てられる施設例:大型倉庫、一時保管施設など(開発許可が必要)
メリット:土地が安価で取得しやすく、設計の自由度が高い
注意点:建築許可やインフラ整備に時間とコストがかかることも
4. 市街化調整区域(しがいかちょうせいくいき)
特徴:原則として開発を制限する地域(市街地の拡大を抑制)
建てられる施設例:農業関連倉庫、一定条件を満たす物流倉庫
メリット:立地によっては広大な土地を確保できる
注意点:開発許可が必要かつハードルが非常に高い
🏗️ 建設マネジメント会社が見る土地選定のポイント
● 許認可取得の可否
土地に建物を建てるには、建築確認申請や開発許可申請が必要です。特に市街化調整区域や無指定地域では、これらの審査が厳格であり、事前調査が不可欠です。
● 物流効率の観点からの立地評価
倉庫は「拠点」です。高速道路や主要幹線道路、港湾・鉄道とのアクセス性が物流コストに直結します。表面的な土地価格だけで判断せず、トータルでの収益性を見極める必要があります。
● 増築・再利用の可能性
倉庫の将来的な拡張やリノベーションを見越した土地選びも重要です。建蔽率・容積率、接道状況などの法的条件も忘れずにチェックしましょう。
💡 よくある質問(FAQ)
Q:住宅地に近い土地でも倉庫は建てられる?
A:用途地域が「準工業地域」であれば可能ですが、騒音・振動・交通量などへの配慮設計が必要です。
Q:工業地域の土地を買えば必ず倉庫が建てられる?
A:原則可能ですが、用途制限以外にも地盤条件や周辺の建築協定が影響する場合があります。プロによる現地調査が必須です。
用途地域選定は成功する倉庫建設の第一歩
倉庫建設において、「どこに建てるか」=土地の用途地域の確認は最重要事項です。
目的に合った地域を選ぶことで、建設の自由度・コスト・許認可の可否・将来性などに大きな違いが生まれます。
弊社のような建設マネジメント会社(CM)にご相談いただければ、土地の法的条件の確認から、事業計画とのマッチング、申請支援まで一貫して対応が可能です。
📌 倉庫建設を検討されている方は、お気軽にご相談ください。
物流拠点の成功は、正しい土地選びから始まります。
まとめ
倉庫建設のプロセスでは、各段階での効率的なコスト管理と品質確保が鍵となります。弊社のコンストラクション・マネジメント方式を通じ、コスト削減と高品質な倉庫建設を提供することを目指しています。倉庫建設に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。