倉庫を建てるための既存宅地証明取得の進め方

市街化調整区域でも建てられる?事前確認と手続きの実務

「この土地、市街化調整区域だけど建てられるかも?」
そんなとき、鍵になるのが**「既存宅地証明(既存宅地確認)」**という制度です。

市街化調整区域では原則として建築行為が制限されていますが、かつて住宅が建っていた土地や宅地として使われていた履歴がある場合には、倉庫建設も可能になることがあります。

本記事では、既存宅地証明を活用して倉庫を建てるための進め方・条件・注意点を、建設マネジメントの視点でわかりやすく解説します。

✅ そもそも「既存宅地証明」とは?

既存宅地証明とは、市街化調整区域において「過去から宅地として利用されていたこと」を証明する制度です。
正式には自治体により呼び方が異なり、以下のような名称も使われます:

  • 既存宅地確認申請書(または届出)

  • 既存宅地等の立地確認

  • 建築許可に関する確認書

この証明をもとに、都市計画法43条の規定に基づく**建築許可(例外的に建築を認める許可)**を得ることができます。

✅ 倉庫に適用される条件とは?

住宅ではなく倉庫のような非住宅施設を既存宅地で建てるには、以下のような条件を満たす必要があります:

条件内容
土地が都市計画法施行以前から宅地利用されていたこと1970年前後に遡ることも。航空写真や登記情報で確認可能
周辺も宅地的利用がされていること近隣に住宅や事業用施設があり「集落的な状態」にあるかどうか
接道していること建築基準法上の道路(幅4m以上)に2m以上接していること
倉庫用途が周辺と調和していること危険物や騒音を伴う用途は不可の場合あり

👉 自治体によっては、過去の建物の建築確認番号や取り壊し日付が必要になることもあります。

✅ 取得までの流れと期間

ステップ内容目安期間
① 事前相談都市計画課で「既存宅地の対象になるか」相談1〜2週間
② 資料収集登記簿、公図、住宅地図、航空写真、旧建物の建築確認記録1〜3週間
③ 既存宅地確認申請所定の様式に記入+添付書類提出2〜4週間程度で審査
④ 建築許可・建築確認へ進行確認が取れれば、都市計画法43条許可+建築確認申請へ別途1〜2か月

📌 「航空写真だけでは認められない」など、自治体によって証明方法や審査基準が異なるため、早めの事前相談が重要です。

✅ 注意すべきポイント(CM実務の視点から)

注意点内容
証明書が出ても「絶対に建てられる」わけではないその後の建築許可審査・設計内容との整合が必要
建物用途によって許可が下りないケースあり危険物倉庫、工場、騒音施設などは対象外になることも
境界未確定・相続登記未了の場合は手続きが進まない登記内容の事前チェックが必須
接道条件が満たされていないとアウト現地調査と公図の読み合わせで確認を

👉 建てられる土地かどうかの判断には、設計士・測量士・行政書士・CMが連携して対応するのがベストです。

既存宅地証明は「建てられる土地」を確定させる鍵

市街化調整区域であっても、過去の宅地利用履歴がある土地であれば、既存宅地証明を取得することで倉庫の建築が可能になるケースがあります。

  • ✅ 計画初期に「建てられるか」を確認することで、リスクと無駄を減らす

  • ✅ 接道・用途・周辺環境などの条件を総合的に評価

  • ✅ 自治体との事前協議が建築実現の第一歩

まとめ

倉庫建設のプロセスでは、各段階での効率的なコスト管理と品質確保が鍵となります。弊社のコンストラクション・マネジメント方式を通じ、コスト削減と高品質な倉庫建設を提供することを目指しています。倉庫建設に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。