倉庫建築における工法・構造の選択が成否を分ける理由とは?|用途・コスト・将来性から考える最適な判断軸
倉庫建築を計画する際、多くの企業担当者がまず重視するのは「立地」や「建設コスト」です。しかし、実務の現場で数多くの倉庫建築プロジェクトを見てきた立場から言えるのは、工法・構造の選択こそが、倉庫の使いやすさと長期的な価値を決定づける最重要要素であるという点です。
工法や構造の判断を誤ると、完成直後は問題がなく見えても、数年後に「想定していた運用ができない」「自動化設備が入らない」「増築や用途変更が難しい」といった課題が顕在化します。倉庫は10年、20年と使われる建物であるからこそ、初期段階での工法・構造選定が将来のコストや事業展開に大きな影響を及ぼすのです。

工法と構造を混同しないことが、最初の重要な一歩
まず整理しておきたいのが、「構造」と「工法」の違いです。構造とは、建物を支える骨組みの種類を指し、鉄骨造(S造)や鉄筋コンクリート造(RC造)などが代表例です。一方、工法とは、それらの構造をどのような方法で施工するかという考え方で、在来工法やシステム建築(プレハブ工法)などがあります。
この二つは別の概念ですが、実際の倉庫建築では密接に結びついており、「どの構造を、どの工法で建てるか」をセットで検討する必要があります。
鉄骨造(S造)が物流倉庫で主流となっている理由
現在、日本の物流倉庫で最も多く採用されているのが鉄骨造です。その理由は明確で、物流施設に求められる「大空間」「高い天井」「柔軟なレイアウト」に最も適しているからです。鉄骨造は柱スパンを9〜12m、場合によってはそれ以上確保することができ、フォークリフト動線やラック配置の自由度が高くなります。
また、工期を比較的短く抑えやすい点も大きなメリットです。物流施設では「いつから稼働できるか」が事業計画に直結するため、工期短縮は大きな価値を持ちます。一方で、耐火被覆や防錆対策を適切に設計しなければ、維持管理コストが増大する可能性があるため、設計段階での配慮が不可欠です。
RC造が選ばれるケースと、その背景
鉄筋コンクリート造は、耐火性・耐久性に優れていることから、多層階倉庫や都市部の物流施設で採用されることが多い構造です。特に住宅地に隣接する立地では、振動や騒音の抑制が求められるため、RC造の重量感と安定性が評価されます。
また、冷凍・冷蔵倉庫では温度管理や結露対策の観点から、RC造が有利になるケースもあります。ただし、建設コストは鉄骨造より高くなる傾向があり、工期も長期化しやすいため、事業スケジュールとの整合が重要です。
工法選択がコストと将来性を左右する
同じ鉄骨造であっても、在来工法とシステム建築では性格が大きく異なります。在来工法は設計自由度が高く、将来的なレイアウト変更や増築に柔軟に対応できる点が強みです。自動化設備の導入や荷主変更を想定する倉庫では、長期的に見て在来工法が有利になるケースも少なくありません。
一方、システム建築は部材を工場で生産し、現場で組み立てるため、工期が短くコストの見通しが立てやすいという特徴があります。中小規模の平屋倉庫や、早期稼働を最優先する案件では有効な選択肢となりますが、スパンや形状に制約があるため、用途によっては注意が必要です。
まとめ
倉庫建設のプロセスでは、各段階での効率的なコスト管理と品質確保が鍵となります。弊社のコンストラクション・マネジメント方式を通じ、コスト削減と高品質な倉庫建設を提供することを目指しています。倉庫建設に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。


