倉庫建設検討開始から着工までの実務フロー|発注者が押さえるべき判断ポイント整理
倉庫建設を検討する際、「いつから何を始めればよいのか分からない」という声は非常に多く聞かれます。
実務上、倉庫建設は思い立ってすぐに着工できるものではなく、検討開始から着工までに複数の判断プロセスを経る必要があります。
特に、検討初期の進め方を誤ると、
設計の手戻り、想定外のコスト増加、スケジュール遅延といった問題につながりやすくなります。
本記事では、建設マネジメントの視点から、
倉庫建設の検討開始から着工に至るまでの実務フローを、時系列で整理します。

検討初期|目的と前提条件の整理
倉庫建設の第一歩は、建物の仕様を考えることではなく、なぜ倉庫を建てるのかという目的を整理することです。
実務では、以下のような背景から倉庫建設が検討されます。
既存倉庫が手狭になってきた
外部倉庫のコストが増加している
物流効率や人手不足への対応が必要
BCP対策として自社拠点を持ちたい
この段階では、具体的な面積や構造を決める必要はありません。まずは、保管中心なのか作業中心なのか、自社利用なのか賃貸も視野に入れるのかなど、方向性を整理することが重要です。
用地条件・立地条件の確認
次に行うべきなのが、用地に関する現実的な確認です。倉庫建設は用地条件の影響を強く受けるため、この工程を後回しにすると計画全体が見直しになる可能性があります。
確認すべき主なポイントは以下の通りです。
用途地域や都市計画上の制限
建ぺい率・容積率
接道条件や大型車両の進入可否
周辺環境(住宅地との距離など)
この段階で、建築可能な規模や配置の制約を把握しておくことで、後工程での大きな手戻りを防ぐことができます。
概算規模・概算コストの整理
用地条件と目的がある程度整理できた段階で、概算レベルでの規模感とコスト感を把握します。
ここで注意すべきなのは、建築工事費だけでなく、外構工事、インフラ引き込み、設計費、各種申請費用などを含めた総事業費として考えることです。
この時点では正確な金額を出すことは難しいため、一定の幅を持たせたレンジで把握するのが一般的です。
発注方式の検討と体制づくり
概算条件が整理できたら、次に検討すべきなのが発注方式です。
設計施工一括方式、設計・施工分離方式、あるいは建設マネジメント方式など、発注方式によって役割分担やリスク配分は大きく変わります。この段階で体制を明確にしておかないと、設計が進んだ後で方式を変更することになり、余計な時間とコストが発生する可能性があります。
基本計画・基本設計の検討
発注方式が定まった後は、倉庫の基本的な計画内容を整理していきます。
建物配置
動線計画
柱スパンや天井高
将来増築の考え方
この段階では、「細かい仕様を決め切る」ことよりも、後戻りしにくい前提条件を固めることが重要です。
行政協議・法規確認
倉庫建設では、建築基準法、消防法、都市計画法など、複数の法規制への対応が必要になります。基本計画が固まった段階で、行政協議や事前相談を行い、計画に大きな問題がないかを確認します。
この工程を十分に行わないと、建築確認申請の段階で計画修正が必要になるケースがあります。
実施設計・見積調整
基本計画をもとに、実施設計を進めながら施工費の精度を高めていきます。設計内容と見積条件をすり合わせ、予算との乖離があれば調整を行います。
この工程では、仕様の優先順位を整理しながら判断することが重要です。
契約締結・着工準備
設計・見積内容が確定した後、工事請負契約を締結し、着工準備に入ります。契約内容については、工事範囲、責任分担、変更時の取り扱いなどを十分に確認しておく必要があります。
着工までの流れは「判断の積み重ね」である
倉庫建設の検討開始から着工までのプロセスは、単なる手続きの流れではなく、複数の判断を段階的に積み重ねていく過程です。初期段階での整理が丁寧であればあるほど、後工程でのトラブルや手戻りは少なくなります。
倉庫建設を成功させるためには、「急いで建てる」ことよりも、正しい順序で検討を進めることが重要だと言えるでしょう。
まとめ
倉庫建設のプロセスでは、各段階での効率的なコスト管理と品質確保が鍵となります。弊社のコンストラクション・マネジメント方式を通じ、コスト削減と高品質な倉庫建設を提供することを目指しています。倉庫建設に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。


