自動化倉庫の建設費はどこまでが建築費で、どこからが設備費なのか?|発注前に整理すべき実務的な考え方

自動化倉庫(AGV・AS/RS・シャトル等を導入する物流施設)の建設を検討する際、多くの発注者が直面するのが
「どこまでが建築費で、どこからが設備費なのか分からない」という問題です。
一般的な倉庫と異なり、自動化倉庫では建物と設備が強く連動するため、
建設費の内訳が分かりにくくなりやすく、見積の比較や予算管理が難しくなる傾向があります。
本記事では、建設マネジメントの実務視点から、自動化倉庫における建築費と設備費の考え方を整理し、発注前に注意すべきポイントを解説します。
自動化倉庫では「建築」と「設備」が分離しにくい理由
通常の倉庫建設では、躯体・外装・床・屋根などが建築工事、
空調・照明・電気・給排水などが設備工事として比較的明確に分かれます。
しかし自動化倉庫では、自動ラック、スタッカークレーン、AGV、コンベヤなどの導入により、
設備の仕様が建物構造そのものに影響を与えるケースが多くなります。
たとえば、
・自動ラックの高さに合わせた天井高
・設備荷重を前提とした床構造
・設備動線を考慮した柱配置
といった要素は、建築と設備のどちらに起因するコストなのかが一見分かりにくくなります。
一般的に「建築費」として整理される範囲
実務上、自動化倉庫であっても、以下のような項目は建築費として整理されるケースが多いとされています。
基礎・躯体・鉄骨・屋根・外壁
床スラブ(ただし設計条件により影響あり)
柱・梁・耐震要素
建物本体としての断熱・防火区画
外構工事(ヤード・舗装・雨水処理など)
ただし、床荷重や天井高が自動化設備を前提に引き上げられている場合、その増分が実質的に設備要因であるにもかかわらず、建築費側に含まれてしまう点には注意が必要です。
設備費として扱われることが多い項目
一方で、以下のような項目は、設備費(マテリアルハンドリング設備費)として整理されるのが一般的です。
自動ラック(AS/RS)
スタッカークレーン、シャトル
AGV・AMR本体
コンベヤ・仕分け装置
制御システム、WMS連携
センサー、制御盤
これらは建物とは独立した設備として扱われますが、
設置条件や動線計画が建物設計に強く影響する点が特徴です。
建築費と設備費の「グレーゾーン」が生まれる部分
自動化倉庫で最も注意が必要なのは、
建築費と設備費の境界が曖昧になりやすい領域です。
具体的には、以下のような項目が該当します。
設備荷重を考慮した床補強
自動ラック一体型の建屋構造
設備専用スペース(制御室・機械室)
設備動線に合わせた開口部や構造調整
これらは、「建物側で対応すべきか」「設備側で対応すべきか」によって、見積の内訳や発注範囲が変わる可能性があります。
発注前に整理すべき重要な視点
自動化倉庫の建設費を適切に把握するためには、金額よりも先に整理すべき視点があります。
自動化設備の仕様がどこまで確定しているか
将来設備更新・入替を想定しているか
建築と設備の責任分界点をどう設定するか
発注方式(一括か分離か)による整理方法の違い
これらを整理しないまま発注すると、後工程で「これは建築側の対応」「これは設備側の追加」といった
認識のズレが生じやすくなります。
建設マネジメント視点での整理の重要性
建設マネジメントの立場では、自動化倉庫の建設費は建築費と設備費を分けて管理しつつ、全体最適で判断することが重要と考えられています。単純に「建築費を抑える」「設備費を削る」という発想ではなく、両者のバランスを前提に計画を整理することで、結果として運用性とコストの両立が図りやすくなります。
自動化倉庫では費用区分の考え方が成否を左右する
自動化倉庫の建設では、建築費と設備費を明確に線引きすること自体が難しいケースもあります。
重要なのは、「どこまでが建築費か」という形式的な区分よりも、なぜその費用が発生しているのかを理解した上で管理できているかです。
発注前にこの整理ができていれば、見積比較や予算管理、将来の設備更新においても、
判断のブレを最小限に抑えることができます。
まとめ
倉庫建設のプロセスでは、各段階での効率的なコスト管理と品質確保が鍵となります。弊社のコンストラクション・マネジメント方式を通じ、コスト削減と高品質な倉庫建設を提供することを目指しています。倉庫建設に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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