食品・医薬品対応の温度管理倉庫|建設時に押さえるべき設計ポイントとは?

近年、食品物流や医薬品流通における**「温度管理の重要性」**が高まる中、冷蔵・冷凍・定温対応の倉庫建設の需要が拡大しています。
とくにHACCPやGDP(医薬品の適正流通基準)などの規制により、物流拠点にも高い温度精度と清潔性が求められる時代です。

本記事では、温度管理が必要な食品・医薬品物流倉庫を新設する際に重要となる設計・建設のポイントを、建設マネジメントの視点から解説します。

■ 温度管理倉庫の分類と温度帯

温度管理倉庫は、用途によって以下のように区分されます。

種類温度帯対象物
冷凍倉庫-20℃以下冷凍食品、アイス、ワクチンなど
冷蔵倉庫0〜5℃生鮮食品、乳製品、医薬品
定温倉庫5〜25℃菓子、酒類、サプリメント等
多温度帯対応倉庫複数ゾーン温度別商品を一括保管・出荷

とくに医薬品は温度逸脱による品質劣化のリスクが高いため、24時間のモニタリングや警報装置の設置が必須です。

■ 設計時に重要な建築・設備ポイント

① 断熱性能と気密性の確保
  • 高性能断熱パネル(50〜100mm以上)の採用

  • シャッター・扉の気密性(自動高速シャッター推奨)

  • 床スラブ下にも断熱材を配置(ヒートブリッジ対策)

温度ムラ・外気流入を抑えることで冷却エネルギーのロス削減ランニングコストの低減に直結します。

② 室内環境制御システム(冷凍・冷蔵・空調)
  • 冷媒方式(CO₂、NH₃、フロン)に応じた機器選定

  • 多ゾーン化に対応できる制御システム

  • BCP対策としての非常用電源設備も検討

省エネ対応としてインバーター制御やヒートポンプ併用型も導入されています。

③ 床構造・断熱スラブの設計
  • 床下断熱層+防湿層を一体化

  • 結露防止と耐凍結構造(特に冷凍室)

地盤が凍結すると構造全体に影響が出るため、床下防湿対策は非常に重要です。

④ 建築基準法・消防法・保健所の対応
  • 医薬品対応の場合は保健所・厚生局との事前協議

  • 食品対応の場合はHACCP対応動線・材料の採用

  • 消防法に基づく自動火災報知設備・排煙設備

※冷媒や危険物(エタノール等)の使用状況に応じて危険物倉庫扱いとなるケースもあります

⑤ ロジスティクスを意識した動線設計
  • 冷気ロスを抑えるL字型動線・風除室設計

  • バース位置や庫内仕分けゾーンの明確化

  • ピッキングエリアと保冷ゾーンの分離設計

物流効率+温度保持を両立する建築設計が重要です。

■ 温度管理倉庫の建設コスト目安

規模種別建設費用の目安(税別)
~300㎡単層・冷蔵ゾーンのみ約7,000万〜1.2億円
~1,000㎡多温度帯・複層構造約2億〜3.5億円
~3,000㎡大型冷凍冷蔵倉庫約4億〜6億円以上

※上記には、建物本体+冷却設備+断熱材+保健所・消防対応までを含みます。

「温度管理倉庫」は汎用倉庫とは設計思想が違う

食品・医薬品の保管に対応する温度管理倉庫は、
単なる“冷蔵庫付きの倉庫”ではありません。

  • 温度管理精度(±0.5℃)

  • 清潔性・断熱性・動線管理

  • 法規・行政対応の複雑さ

これらを総合的にマネジメントできる建設体制が不可欠です。
私たち建設マネジメント会社では、用途や業種に応じた温度帯ゾーニングと建設支援を中立的な立場で行っています。

「将来的に医薬品対応も見据えた倉庫を建てたい」
「食品+定温保管を一拠点で対応したい」
といった構想段階からでもお気軽にご相談ください。

まとめ

倉庫建設のプロセスでは、各段階での効率的なコスト管理と品質確保が鍵となります。弊社のコンストラクション・マネジメント方式を通じ、コスト削減と高品質な倉庫建設を提供することを目指しています。倉庫建設に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。