【延床5,000㎡超】大規模倉庫を建てるには?|構造・コスト・法規の基本

物流量の増加やネット通販の拡大を背景に、延床面積5,000㎡以上の大規模倉庫の建設ニーズが高まっています。
特に、広域配送拠点や冷凍・冷蔵機能付きの多温度帯倉庫、自動化対応施設など、より高度な機能が求められる傾向にあります。
一方で、延床5,000㎡を超える施設になると、構造計画・法規制・建設コスト・行政調整など、検討すべき点も大幅に増えます。
本記事では、大規模倉庫を建設するうえで必ず押さえておきたい基礎知識を構造・コスト・法規の観点から解説します。
■ 延床5,000㎡超の倉庫に必要な構造設計の考え方
大規模倉庫では、耐久性・可変性・災害対応の観点から、以下のような構造が採用されることが一般的です。
| 構造形式 | 特徴 | 備考 |
|---|---|---|
| 鉄骨造(S造) | 柱スパンを広く取れる・施工期間が短い | 一般的な倉庫構造。コストバランスも良好 |
| 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) | 耐震性・耐火性に優れる | 多層構造や高層倉庫で採用されやすい |
| プレキャストコンクリート造(PC造) | 品質安定・施工の標準化 | 工期短縮に有効。初期コストはやや高め |
また、建物の有効高さ(5m〜7m)を確保し、多段ラックや自動倉庫との連携を想定した設計が求められます。
■ 大規模倉庫の建設費と坪単価の目安(2025年時点)
延床5,000㎡(約1,500坪)規模の倉庫建設費は、建設仕様や設備レベルにより大きく変動します。
| 倉庫タイプ | 坪単価目安 | 延床5,000㎡想定の建設費 |
|---|---|---|
| 一般倉庫(常温・シンプル) | 35〜50万円/坪 | 約5.3〜7.5億円程度 |
| 冷凍・冷蔵倉庫(多温度帯) | 55〜70万円/坪 | 約8.2〜10.5億円程度 |
| 自動倉庫付き(WMS・AGV) | 60〜85万円/坪 | 約9〜13億円以上 |
※外構工事・造成・インフラ整備・設計費・消防設備費を含む概算。
※用地費・地盤改良費は別途。
コストを抑えつつ効率化を図るには、複数フロア化(2層倉庫)や建物ボリューム最大化が鍵になります。
■ 法規制・行政調整で注意すべきポイント
延床5,000㎡を超えると、建築・消防法規上の規制が一段と厳しくなります。
① 建築基準法
用途地域によって建設可否が異なる
工業専用地域 → 建設可能
準工業地域・商業地域 → 一部制限あり(用途変更や協議要)
容積率・建ぺい率の確認が必須
② 消防法
自動火災報知設備・排煙設備は必須
面積・天井高に応じてスプリンクラー設置義務あり
危険物や高発熱物の保管がある場合は特例申請が必要
③ 開発許可・交通インフラ協議
敷地面積3,000㎡超の場合、開発許可が必要
大型車両の出入りを想定した接道幅・信号機調整・歩道設置などの行政協議も増加
→ プロジェクト初期段階から建設マネジメント会社や行政書士と連携しておくとスムーズです。
■ 設備・運用面での事前検討事項
大規模倉庫をただ建てるだけではなく、将来の運用や変化に耐えうる仕様で設計することが重要です。
将来的な**自動化対応(AGV通路/床荷重/配線)**の計画
空調・断熱設備の選定(ZEB化を検討する企業も増加)
BCP・災害対策(免震構造、自家発電、通信設備の確保)
作業員動線やピッキング効率の考慮(見える化レイアウト)
大規模だからこそ“最初の計画設計”が重要
延床5,000㎡を超える大規模倉庫は、
単なる保管スペースではなく、企業の物流効率・収益・ブランド戦略を支える中核施設です。
だからこそ、以下のような視点で取り組むことが成功の鍵になります。
構造計画・設備方針・運用設計を一体で検討する
建築法規や消防対応を早期に整理してスケジュールに反映
土地選び・造成・行政協議もマネジメント視点で主導する
まとめ
倉庫建設のプロセスでは、各段階での効率的なコスト管理と品質確保が鍵となります。弊社のコンストラクション・マネジメント方式を通じ、コスト削減と高品質な倉庫建設を提供することを目指しています。倉庫建設に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。


