【2025年版】倉庫タイプ別「最適な減価償却方法」と税務処理のポイント|自動化・低温・一般倉庫を徹底比較

倉庫を新築・購入・改修する際、必ず検討すべきなのが
「建物・設備の減価償却と税務処理」 です。

特に近年は、

  • 自動化設備を備えた自動化倉庫(ロボティクス倉庫)

  • 冷蔵・冷凍を扱う低温倉庫

  • 高性能断熱材を採用した定温倉庫
    など、倉庫の種類が高度化しており、倉庫タイプごとに減価償却方法や節税ポイントが異なるという特徴があります。

本記事では、建設マネジメント実務者の視点から、
倉庫タイプ別の減価償却・税務処理の違い、注意点、節税のポイントを徹底解説します。

1. 倉庫は「建物」と「設備」を分けて減価償却する必要がある

まず最初に理解すべき重要ポイントは、
倉庫は 「建物」「設備」 に分けて償却するという点です。

■ 建物(倉庫本体)
  • 耐用年数:S造 19年、RC造 50年など

  • 償却方法:定額法のみ

■ 設備(自動化・電気設備・冷凍設備など)
  • 耐用年数:10〜15年が中心

  • 償却方法:定率法・定額法の選択が可能(法人税法)

倉庫の投資額は「建物」よりも
設備(特に自動化設備・冷凍機)の割合が大きいケースもあり、
税務処理の違いを理解することでキャッシュフローを大幅に優位にできる可能性があります。

2. 自動化倉庫(ロボティクス倉庫)の減価償却|“設備償却”が鍵

自動化倉庫では、以下の設備が主要償却対象になります。

■ 償却対象設備の例
  • ロボットアーム(耐用年数 6〜12年)

  • AMR/AGV(耐用年数 6年)

  • 自動倉庫(スタッカークレーン:耐用年数 15年)

  • GTPシステム(棚搬送ロボット:耐用年数 6〜10年)

  • WMS・制御システム(耐用年数 5年)

  • コンベア設備(耐用年数 10年)

■ 自動化倉庫の税務ポイント

✔ 減価償却を「設備中心」で計算する

→ 建物より設備比率が高いため、節税効果が大きい

✔ 定率法を選択することで初年度償却額を増やせる

→ 現金流出の多い初年度に税負担を軽減

✔ ロボットのソフトウェアは「無形固定資産」として5年償却

→ ハードとソフトの区分は税務調査でも重要なポイント

✔ 自動化設備は補助金との併用が可能

(IT導入補助金、ものづくり補助金 等)

3. 低温倉庫(冷蔵・冷凍)の減価償却|設備の耐用年数が短い

冷凍・冷蔵倉庫は、建物本体よりも
専用設備の価値が非常に高いのが特徴です。

■ 償却対象設備
  • 冷凍機・冷却ユニット(耐用年数 10〜13年)

  • 冷凍パネル・断熱パネル(耐用年数 15年)

  • 冷蔵庫内の電気設備(耐用年数 6〜10年)

  • 温湿度管理システム(耐用年数 5年)

■ 低温倉庫の税務ポイント
✔ 設備比率が高く、償却負担が大きい

税務上の損金算入メリットが大きい

✔ 電力設備は別途10〜15年償却

→ 電力容量の増設工事も「設備扱い」

✔ 節税の鍵:建物と“断熱設備”を正確に区分する

→ 最近の税務調査では「建物扱いに誤分類」が多く指摘される

4. 一般倉庫(常温倉庫)の減価償却|最もシンプル

常温倉庫は構造が最もシンプルで、建物の割合が高い倉庫タイプです。

■ 主な償却対象
  • 建物本体(S造19年/RC造50年)

  • LED照明(耐用年数6年)

  • 空調・換気設備(耐用年数15年)

  • 防火・防災設備(耐用年数10〜15年)

■ 税務ポイント
✔ 建物の定額償却が中心のため節税効果は比較的緩やか
✔ LED化・換気設備の更新が節税ポイント

→ 設備扱いになるため、償却が早くキャッシュフローに有利

5. 【共通】倉庫の税務で必ず押さえるべき重要ポイント

 ① 建物と設備の区分を正確に行うこと

誤分類は税務調査でも最も多い指摘項目。

② 大規模修繕(屋根・外壁・床補修)が“資本的支出”か“修繕費”かを判断
  • 修繕費 ⇒ 全額経費

  • 資本的支出 ⇒ 複数年償却

床補強・外壁全面塗装・断熱パネル交換は資本的支出になるケースが多い。

③ 自動化・低温設備は補助金活用で実質負担を抑える

特に以下が利用されやすい:

  • ものづくり補助金

  • エネルギー革新補助金

  • 中小企業投資促進税制(特別償却・税額控除)

④ 購入とリースで税務処理が変わる

ロボット設備はリース導入も多く、
リース料は全額経費計上が可能

6. 倉庫タイプ別|最適な減価償却モデル比較表

倉庫タイプ建物比率設備比率節税効果特徴
自動化倉庫30〜50%50〜70%★★★★☆設備中心、定率法で節税効果大
低温倉庫40〜60%40〜60%★★★★☆冷凍設備が高額、補助金併用が有効
常温倉庫60〜80%20〜40%★★☆☆☆シンプルだが節税余地は小さめ
定温倉庫50〜60%40〜50%★★★☆☆断熱設備区分が重要

倉庫は“タイプごとに償却戦略を変える”ことで利益が変わる

倉庫の税務戦略は、
種類(自動化・低温・常温)によって最適解が大きく異なります。

✔ 自動化倉庫 → 設備中心の減価償却で節税効果大
✔ 低温倉庫 → 冷凍設備の償却と補助金活用が鍵
✔ 常温倉庫 → 設備更新による節税が有効
✔ 建物・設備の区分は税務上必ず精査が必要

倉庫の新築・購入・改修を検討する企業は、建物計画 × 設備投資 × 税務を一体で考えることで、
投資回収(ROI)を最大化できます。

まとめ

倉庫建設のプロセスでは、各段階での効率的なコスト管理と品質確保が鍵となります。弊社のコンストラクション・マネジメント方式を通じ、コスト削減と高品質な倉庫建設を提供することを目指しています。倉庫建設に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。