【完全版】物流倉庫の床仕上げ材はどれを選ぶべきか?|エポキシ・ポリッシュ・耐摩耗材の徹底比較ガイド
物流倉庫における「床仕上げ材の選定」は、作業効率・耐久性・メンテナンスコスト・安全性に直結する重要な要素です。
特に近年は、
自動搬送ロボット(AGV/AMR)
大型フォークリフト
高頻度走行のパレット台車
冷凍・定温倉庫化
など、床に対する要求性能が一段と高まっています。
しかし床仕上げ材は種類が多く、「どれが自社の倉庫に最適なのか判断できない」という担当者も少なくありません。本記事では、物流倉庫で採用される代表的な床仕上げ材エポキシ、ポリッシュコンクリート、耐摩耗仕上げ(ハードナー)を徹底比較し、用途別の最適な選び方を解説します。

1. 物流倉庫の床仕上げ材に求められる性能とは?
物流倉庫では一般的な建物より床に負荷が集中しやすく、
以下のポイントが特に重要です。
✔ 高い耐摩耗性(フォークリフトの走行)
タイヤ摩耗・荷重によるチッピングを防止。
✔ 耐荷重性(ラック・重量物の静荷重)
床荷重1.5〜3.0t/㎡以上が求められるケースも。
✔ ひび割れ(クラック)抑制
倉庫保管物への影響を最小化。
✔ 清掃性・衛生性
食品・医薬品倉庫では必須。
✔ メンテナンス性・補修のしやすさ
長期運用コストに直結。
これらの要素を踏まえて床の性能を比較していきます。
2. 床仕上げ材の種類別比較(エポキシ・ポリッシュ・耐摩耗仕上げ)
① エポキシ塗床(エポキシフロア)
【特徴】
コンクリートの上に合成樹脂を塗布し、平滑で防塵性の高い仕上げを作る工法。
【メリット】
防塵性が高く、微粉が出にくい
清掃性が非常に高い
色分けが可能(動線・ゾーニングに有効)
化学薬品に強い種類もある
【デメリット】
厚塗りを行っても“摩耗には弱い”
フォークリフト走行が多いと早期剥離のリスク
冷蔵倉庫では温度差で劣化しやすい
【適した倉庫】
食品・医薬品・化粧品などの衛生倉庫
小型倉庫
人の歩行が中心の作業場
★ 評価
→ 衛生性は抜群だが、重荷重倉庫には向かない場合が多い。
② ポリッシュコンクリート(磨き床)
【特徴】
コンクリート表面を研磨し、密度を高めて鏡面状に仕上げる工法。
【メリット】
摩耗に非常に強い(フォークリフト走行OK)
メンテナンスコストが低い
剥離リスクがほぼゼロ
長寿命(10〜20年以上)
コンクリート粉化を抑制
【デメリット】
施工精度により仕上がりが左右される
色や意匠性の自由度は低い
【適した倉庫】
大型物流倉庫
フォークリフト集中的に走行する倉庫
自動化倉庫(ロボット走行に最適)
家電・ECフルフィルメント倉庫
★ 評価
→ 物流倉庫全般で最も採用が増えている床材。耐久性とコストバランスが非常に良い。
③ 耐摩耗仕上げ(ハードナー)
【特徴】
コンクリート打設時に金属粉・鉱物粉を散布し、表面を強化する工法。
【メリット】
初期施工費が安い
摩耗に強く物流倉庫に向く
カラー仕上げにも対応可能
【デメリット】
施工ムラが出やすい
長期使用で粉塵が発生する可能性
ポリッシュほどの耐久性はない
【適した倉庫】
中規模倉庫
フォークリフト頻度が中程度の倉庫
コスト重視の案件
★ 評価
→ コストと耐久性のバランスが良い“中位”の仕上げ。
3. 三種類の性能比較一覧(わかりやすい表)
| 項目 | エポキシ | ポリッシュコンクリート | 耐摩耗仕上げ |
|---|---|---|---|
| 耐摩耗性 | △ | ◎ | ○ |
| 耐荷重 | ○ | ◎ | ○ |
| 清掃性 | ◎ | ○ | △ |
| 初期コスト | ○ | △(やや高い) | ◎(低コスト) |
| 長寿命 | △ | ◎ | ○ |
| フォークリフト対応 | △ | ◎ | ○ |
| AGV/AMR適性 | △ | ◎ | ○ |
| 冷蔵・低温倉庫 | △ | ◎ | ○ |
4. 用途別:最適な床仕上げ材の選び方
● 食品・医薬品倉庫 → エポキシ or ポリッシュ
防塵性重視 → エポキシ
フォークリフト走行が多い → ポリッシュ
● 大型物流倉庫(EC・家電など) → ポリッシュコンクリート
摩耗・荷重・ロボット走行すべてに強い
10年スパンのランニングコストが最も低い
● 中規模倉庫・荷捌き場 → 耐摩耗仕上げ
コストと性能のバランスが良い
床補修の頻度を抑えたい場合に向く
● 自動化倉庫(AGV/AMR利用) → ポリッシュ一択
ロボット走行では
段差・剥離・凹凸が致命的
→ ポリッシュが最適。
5. 床仕上げ材を選ぶときの“失敗しないためのポイント”
5-1. 既存床の強度(圧縮強度・平坦性)を確認する
自動化倉庫では“F値・平坦性(FF/FL)”が必須。
5-2. フォークリフト種類(ノーパンク・ハードタイヤ)で摩耗レベルが変わる
→ 床選定に直結。
5-3. 冷凍・低温は必ず“断熱と結露対策”を考慮
→ エポキシは剥離リスクあり。
5-4. 施工会社の品質に大きく依存
特にポリッシュは施工者の技量差が大きい。
5-5. ライフサイクルコストで比較する
初期費用だけでなく、10年総コストで選ぶことが重要。
倉庫の床は“運用コストを左右する最重要設備”
物流倉庫の床は、単なる仕上げではなく運用効率・維持費・自動化適正を決定する核心要素です。
最終的な結論は以下の通り:
エポキシ → 清掃性重視の衛生倉庫向け
ポリッシュコンクリート → 多くの物流倉庫で最適解
耐摩耗仕上げ → 中規模・コスト重視倉庫に最適
倉庫計画の初期段階から、床仕上げ材 × 内部ラック計画 × 動線設計 × 自動化設備
を一体で検討することで、長期的に安定した倉庫運営を実現できます。
まとめ
倉庫建設のプロセスでは、各段階での効率的なコスト管理と品質確保が鍵となります。弊社のコンストラクション・マネジメント方式を通じ、コスト削減と高品質な倉庫建設を提供することを目指しています。倉庫建設に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。


