中古倉庫の断熱性能を評価する方法|改修コストの落とし穴と見抜き方【2025年版】
中古倉庫を購入して「定温・冷蔵・冷凍対応に改修したい」という企業が増えていますが、
最も注意すべき項目が “断熱性能の見極め” です。
断熱性能は建物の外からは判断しにくく、
購入後に改修コストが膨れ上がる典型的な落とし穴でもあります。
実際に、
・床断熱不足による結露被害
・壁内の断熱欠損
・冷却効率の低下で電気代が2倍以上
・全面改修で数千万円の追加費用
といった問題が発生するケースは珍しくありません。
本記事では、建設マネジメントの視点から
中古倉庫の断熱性能を正しく評価する方法と、
見落とされやすい改修コストの落とし穴を解説します。

1. 中古倉庫の断熱性能は“外観では判断できない”という前提
多くの企業が誤解しがちなポイントは、
外壁が金属サイディングでも断熱材が入っているとは限らない
ということです。
特に築20年以上の倉庫では
断熱材が薄い
施工当時は断熱基準が緩かった
湿気で断熱材が劣化している
そもそも断熱施工がされていない
といったケースが多く、
改修前提で購入すると予算が大きく狂う可能性があります。
中古倉庫は必ず「現状の断熱性能」を数値で確認する必要があります。
2. 中古倉庫の断熱性能を評価する5つの実務ステップ
① サーモグラフィーカメラによる温度ムラの可視化
最も有効な初期診断方法。
壁・天井の断熱欠損
冷気・熱気の侵入箇所
結露リスクの高い部位
が一目でわかります。
特に寒冷地や冷蔵倉庫への改修予定がある場合は必須の調査。
② 断熱材の仕様確認(図面・現地開口調査)
中古倉庫は竣工図と実際が一致していないことも多いため、
以下の項目を確認します。
壁・屋根の断熱材の種類(グラスウール/硬質ウレタンなど)
厚み
施工方法(吹付・充填・サンドイッチパネル)
気密処理の有無
必要に応じて小さな開口をつくり内部を確認する「開口調査」も実施します。
③ 結露の有無(壁内結露・スラブ結露)
中古倉庫で最も多いトラブルが**“見えない結露”**です。
壁内の断熱材が水分を含んで劣化
金属サイディングの裏側が錆びている
スラブ表面・柱脚に水滴が発生
結露は性能低下だけでなく建物寿命にも影響するため
早期の判定が重要です。
④ 開口部(シャッター・窓・扉)の気密性チェック
冷蔵・冷凍倉庫に改修する場合、
最も冷気ロスが大きいのが開口部です。
シャッターの隙間
パッキンの劣化
スチールドアの断熱不足
これらがあるだけで、
冷却効率が20〜40%低下するケースもあります。
⑤ 空調負荷試算(冷却・加温の必要能力計算)
冷蔵・冷凍化を検討する場合、
現状の断熱性能でどの程度の冷却能力が必要かを計算します。
壁・天井・床からの熱侵入
開閉頻度
ドックシェルターの有無
外気温
庫内作業熱
これらを総合的に計算しないと、
「冷房能力が足りない」「電気代が想定より高い」
といった問題が必ず起きます。
3. 中古倉庫の断熱改修で“落とし穴”になりやすいコスト項目
中古倉庫を冷蔵・冷凍仕様に改修する場合、以下の項目は特にコストが膨らみやすい部分です。
落とし穴①:床断熱・凍結対策が高額になる
冷凍倉庫への改修では、床の断熱は最も費用が大きい工程です。
断熱材100〜150mm施工
防湿・気密処理
床暖ヒーター(凍上防止)
コンクリート再打設
費用相場:1.5万〜3万円/㎡(大規模倉庫では数千万円〜1億円規模)
既存床をそのまま利用すると、凍上・結露・床面剥離 が発生するリスクが高い。
落とし穴②:壁・天井断熱の全面やり直し
断熱欠損が多い中古倉庫は、部分補修では改善しないケースがほとんど。
結果としてパネル全面張り替え(数百万円〜数千万円)が必要になることがあります。
落とし穴③:冷却能力不足を補う追加設備費
断熱性能が低いまま冷却設備を選定すると
温度が下がらない
霜取りが頻発
電気代が想定の1.5〜2倍となり、最終的に冷却設備の追加で1,000万円以上の出費となる場合も。
落とし穴④:電力設備の増強工事が必須になる
冷蔵・冷凍倉庫は電力負荷が非常に高く、中古倉庫の受電設備では不足しがちです。
受電容量UP(高圧化)
分電盤増設
動力配線工事
数百万〜2,000万円規模になることもあります。
4. 中古倉庫の断熱性能チェックリスト(購入前に必ず確認)
- 断熱材の種類・厚みの確認
- サーモグラフィーによる温度ムラ検査
- 壁内結露・腐食の有無
- 開口部の気密性
- 床断熱の有無(改修時の最大リスク)
- 冷却負荷の試算(冷蔵・冷凍化を想定する場合)
- 電力容量の現状確認
- 修繕履歴・過去の結露クレームの有無
このチェックだけでも、購入後の想定外コストを大幅に防ぐことができます。
中古倉庫の断熱性能評価は“専門診断が必須”
中古倉庫の断熱性能は、外観や簡易な見学では絶対に判断できません。
特に冷蔵・冷凍用途の改修を想定している場合、断熱性能の評価によって改修費用が2倍以上変動することもあります。
そのため、
専門家による事前診断
サーモグラフィー調査
床断熱・結露リスク評価
は必須と言えます。
建設マネジメント会社に早期相談することで、購入判断の精度が上がり、改修コストの最適化が可能になります。
まとめ
倉庫建設のプロセスでは、各段階での効率的なコスト管理と品質確保が鍵となります。弊社のコンストラクション・マネジメント方式を通じ、コスト削減と高品質な倉庫建設を提供することを目指しています。倉庫建設に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。


