【見落とすと高額請求も?】倉庫の原状回復費用で失敗しないための契約前チェックリスト

賃貸倉庫を利用する企業にとって、契約時には見えにくいものの、退去時に最もトラブルになりやすいのが「原状回復費用」です。
実務の現場では、「想定していなかった高額な原状回復費用を請求された」「契約内容の解釈を巡って貸主と揉めた」といったケースが後を絶ちません。

特に物流倉庫は、一般的なオフィスや店舗と異なり、大型設備・重量床・シャッター・フォークリフト走行跡など、原状回復の範囲が広く、金額も大きくなりやすいという特徴があります。

本記事では、建設マネジメントの実務視点から、倉庫契約時に必ず確認すべき原状回復費用のチェックポイントを整理し、契約前に押さえておくべき実践的な判断軸を解説します。

原状回復費用とは何か|倉庫特有の注意点

原状回復とは、賃貸借契約終了時に、「借主が使用を開始した時点の状態に戻すこと」を原則とする考え方です。
しかし倉庫の場合、この「原状」の定義が曖昧になりやすく、契約書の記載内容によって解釈が大きく異なります。

例えば、床の摩耗、壁の汚れ、設備の取り外しなどが、通常使用によるものなのか、借主負担なのかは、契約内容次第で判断が分かれます。

そのため、原状回復費用は退去時ではなく、契約前にどこまで想定できているかが極めて重要です。

なぜ倉庫の原状回復費用は高額になりやすいのか

倉庫の原状回復費用が高額化しやすい理由は、建物の性質と運用実態にあります。

物流倉庫では、フォークリフトやAGVによる床の摩耗、重量ラックのアンカー固定、シャッターやドック周りの損耗などが日常的に発生します。

これらは事業活動として避けられないものである一方、契約上「借主負担」とされている場合、床補修・再塗装・設備撤去で数百万円〜数千万円規模になることもあります。

契約前に必ず確認すべき原状回復チェックリスト

原状回復の範囲が具体的に定義されているか

契約書に「原状回復すること」とだけ記載されている場合は要注意です。
床・壁・天井・設備・外構など、どこまでが回復対象なのかを具体的に確認する必要があります。

特に、床の補修範囲や塗装の有無は、費用に大きな差が出るポイントです。

設備・内装の撤去義務が明記されているか

ラック、空調設備、照明、事務所区画など、借主が設置する設備について、「撤去が必要か」「残置可能か」は必ず確認すべき項目です。

撤去義務がある場合、撤去工事費だけでなく、床・壁の復旧費用まで含まれるかを事前に整理しておく必要があります。

通常損耗と借主負担の線引きがあるか

国土交通省のガイドラインでは、通常使用による損耗は貸主負担とされていますが、倉庫契約ではこれが適用されないケースも多く見られます。契約書に「通常損耗も借主負担」と明記されている場合、想定以上の原状回復費用が発生する可能性が高まります。

原状回復工事の施工者指定があるか

貸主指定業者による原状回復工事が義務付けられている場合、工事費用が相場より高くなることがあります。

可能であれば、
「複数業者での見積取得が可能か」
「金額妥当性の確認方法」
についても事前に確認しておくべきです。

原状回復費用の上限(キャップ)が設定されているか

原状回復費用に上限が設定されていない契約は、借主にとって非常にリスクが高いと言えます。あらかじめ上限額や算定方法を明確にしておくことで、将来的なコスト予測が可能になります。

建設マネジメント視点での実務的な対策

原状回復費用のリスクを抑えるためには、契約書の確認だけでなく、建物の現況把握と使い方の整理が不可欠です。契約前に、床仕様・耐荷重・仕上げ材・既存劣化状況を確認し、どの程度の改修が想定されるかを見立てておくことで、退去時のトラブルを大幅に減らすことができます。

建設マネジメント会社が関与することで、契約条件と建物仕様を照らし合わせ、原状回復リスクを事前に「見える化」することが可能になります。

原状回復費用は「契約前の確認」がすべて

倉庫の原状回復費用は、退去時に突然発生するものではありません。
そのほとんどは、契約前の確認不足によって生じます。

  • 原状回復範囲の明確化

  • 設備撤去条件の確認

  • 通常損耗の扱い

  • 費用上限の有無

これらを契約前に整理することが、高額請求を防ぐ最も確実な方法です。

倉庫契約を検討する際は、法務・会計だけでなく、建物と工事に精通した専門家を交えて判断することが、結果として大きなリスク回避につながります。

まとめ

倉庫建設のプロセスでは、各段階での効率的なコスト管理と品質確保が鍵となります。弊社のコンストラクション・マネジメント方式を通じ、コスト削減と高品質な倉庫建設を提供することを目指しています。倉庫建設に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。