倉庫規模の決め方とは?|失敗しないために押さえるべき実務判断の考え方
倉庫建設を検討する際、多くの担当者が最初につまずくのが「どのくらいの規模の倉庫を建てるべきか」という判断です。小さすぎればすぐに手狭になり、大きすぎれば過剰投資となる。このバランスを誤ると、完成後に取り返しのつかない問題を抱えることになります。
実務の現場では、「とりあえず〇〇㎡くらいで」という感覚的な判断が原因で、レイアウト変更ができない、増築できない、運用コストが想定以上にかかるといった失敗が数多く発生しています。本記事では、建設マネジメントの視点から、倉庫規模をどのような順序で、何を基準に決めるべきかを、現実的かつ再現性のある考え方として解説します。

倉庫規模は「建てたい大きさ」ではなく「必要量」から考える
倉庫規模を決める際に最も重要なのは、「建てられる大きさ」や「予算に収まる大きさ」から入らないことです。
まず整理すべきなのは、実際にどれだけの保管量・作業量が必要なのかという点です。
具体的には、
・保管する物の種類
・1パレットあたりの占有面積
・在庫回転率
・ピーク時の最大保管量
といった要素を洗い出す必要があります。
この段階での数値が曖昧なまま進めてしまうと、後から「想定と違った」というズレが必ず発生します。
「現在」だけでなく「将来」をどう見るかが規模を左右する
倉庫規模の判断でよくある失敗が、現在の物流量だけを基準に決めてしまうことです。
倉庫は建てて終わりではなく、10年、20年と使い続ける設備投資です。
そのため、
・事業拡大の可能性
・取扱品目の変化
・外部倉庫の内製化
・自動化や設備導入の可能性
といった将来要素を、ある程度想定しておく必要があります。
ただし、過度に将来を楽観視して「とりあえず大きくしておく」という判断も危険です。
現実的には、将来増築が可能な計画にしておくことが、最もリスクの少ない考え方と言えます。
延床面積だけでなく「有効面積」で考える
倉庫規模を語る際、㎡数だけが一人歩きしがちですが、実務では有効に使える面積がどれだけあるかが重要です。
同じ3,000㎡の倉庫でも、柱スパン、天井高、搬送動線の取り方によって、
実際に使えるスペースは大きく異なります。
特に注意すべきなのは、通路幅、作業スペース、設備スペースを十分に見込んでいるかどうかです。
初期段階でこれらを軽視すると、「面積は足りているのに使いにくい倉庫」になってしまいます。
作業動線と人の動きを前提に規模を検討する
倉庫は単なる保管場所ではなく、人やフォークリフトが常に動く「作業空間」です。
そのため、保管量だけでなく、作業動線に必要な余白を考慮した規模設定が不可欠です。
ピッキング頻度が高い倉庫と、長期保管が中心の倉庫では、同じ保管量でも必要な面積は大きく異なります。初期段階で、「どの作業がどれくらい発生するのか」を整理しておくことで、過不足のない規模設定につながります。
用地条件が規模を制限するケースも多い
実務上、「理想の規模」と「建てられる規模」が一致しないケースは少なくありません。
用途地域、建ぺい率、容積率、接道条件など、
用地条件によって建築可能な規模は制約を受けます。
そのため、倉庫規模の検討は、用地選定と切り離して考えることはできません。
初期段階で法規制を確認し、現実的にどこまで建てられるのかを把握しておくことが重要です。
「最適規模」は一つではないという前提を持つ
倉庫規模に「唯一の正解」はありません。
同じ事業内容であっても、運用方針やリスクの取り方によって、最適とされる規模は変わります。
重要なのは、なぜその規模を選んだのかを説明できることです。
判断根拠が整理されていれば、将来見直しが必要になった場合も、冷静に対応できます。
建設マネジメント視点での実務的な進め方
建設マネジメントの実務では、倉庫規模は一度で確定させるものではなく、
複数案を比較しながら段階的に絞り込むのが一般的です。
概算規模 → ラフレイアウト → コスト確認 → 再調整
というプロセスを踏むことで、思い込みによる判断ミスを防ぐことができます。
倉庫規模は「数字」より「考え方」が重要
倉庫規模の決め方で最も重要なのは、㎡数そのものではなく、その規模に至った考え方が整理されているかどうかです。現在と将来、保管と作業、理想と現実。これらをバランスよく整理することで、過不足のない倉庫規模が見えてきます。
倉庫建設は一度きりの大きな判断です。だからこそ、最初の段階で立ち止まり、規模の決め方そのものを丁寧に考えることが、結果として最大の失敗防止策になると言えるでしょう。
まとめ
倉庫建設のプロセスでは、各段階での効率的なコスト管理と品質確保が鍵となります。弊社のコンストラクション・マネジメント方式を通じ、コスト削減と高品質な倉庫建設を提供することを目指しています。倉庫建設に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。


