冷凍冷蔵倉庫の自然冷媒とは?フロン対策・設備更新・建設費への影響

冷凍冷蔵倉庫の新築や設備更新を計画する際、冷凍能力や保管温度と並んで重要になるのが「どの冷媒を採用するか」という問題です。従来の業務用冷凍冷蔵設備では、フロン類を使用した機器が広く導入されてきました。しかし、オゾン層を破壊しない代替フロンであっても、種類によっては高い温室効果を持つため、国際的に生産・消費量の段階的な削減が進められています。日本を含む先進国では、HFCの生産・消費量を2036年までに基準値から85%削減することとされており、冷凍冷蔵倉庫でも将来の設備更新や冷媒供給を見据えた選定が必要です。

その選択肢として普及が進められているのが、二酸化炭素やアンモニアなどを使用する自然冷媒です。自然冷媒は、フロン類と比較して地球温暖化への影響を抑えやすい一方、冷媒ごとに使用圧力、毒性、可燃性、適用温度帯、安全設備などの条件が異なります。そのため、冷凍機本体の性能や価格だけで判断するのではなく、機械室、配管、換気、電源、漏えい検知設備、メンテナンス体制まで含めて検討しなければなりません。

また、既存のフロン設備を自然冷媒設備へ更新する場合は、冷凍機の入れ替えだけでなく、既存冷媒の回収、配管更新、電気容量の確認、設備停止中の保管品対策などが必要になる可能性があります。自然冷媒の導入は、環境対策だけでなく、建築計画、設備投資、事業継続計画に関係するテーマです。

本記事では、冷凍冷蔵倉庫で使用される自然冷媒の種類、フロン対策との関係、既存設備を更新する際の注意点、建築・設備計画および建設費への影響について、発注者向けに解説します。

冷凍冷蔵倉庫における自然冷媒とは

冷媒とは、冷凍機の内部を循環しながら熱を移動させ、倉庫内の温度を下げるために使用される物質です。冷媒が圧縮、凝縮、膨張、蒸発を繰り返すことで、庫内から熱を取り除き、冷蔵・冷凍に必要な温度を維持します。

自然冷媒とは、自然界にもともと存在する物質を冷媒として利用するもので、代表的なものとして、アンモニア、二酸化炭素、水、空気、炭化水素があります。冷凍冷蔵倉庫では、主に二酸化炭素冷媒、アンモニア冷媒、アンモニアと二酸化炭素を組み合わせたシステムなどが検討されます。施設の温度帯や用途によっては、空気冷媒や炭化水素冷媒が採用される場合もあります。

ただし、「自然冷媒であれば必ず省エネルギーになる」「どの倉庫にも同じ方式が適している」というわけではありません。年間の電力使用量は、必要温度、外気温、冷却負荷、設備容量、部分負荷時の制御、除霜方式、扉の開閉頻度、建物の断熱性能などによって変わります。

発注者は、冷媒単体の環境性能だけでなく、要求温度を安定して維持できるか、設備停止時にも商品を保護できるか、保守部品や対応技術者を確保できるか、初期費用と運用費を含めた総コストが適切かという視点で比較する必要があります。

自然冷媒の主な種類と特徴

冷凍冷蔵倉庫で検討される自然冷媒には、それぞれ異なる特徴があります。

自然冷媒主な特徴計画上の注意点
二酸化炭素(CO₂・R744)不燃性で温暖化への影響が小さい高い運転圧力、換気、漏えい検知、保守時の安全管理
アンモニア(NH₃・R717)熱性能が高く、大型産業用設備で採用実績がある毒性・可燃性、機械室、安全設備、漏えい対策
アンモニア・CO₂方式アンモニアの使用範囲を機械室付近に限定しやすい熱交換器、ポンプ、二次側配管、設備構成の複雑化
炭化水素(HC)省エネルギー性能を得やすい場合がある可燃性、冷媒充填量、防爆・換気対策
空気冷媒自体の環境負荷が小さく、超低温用途に適する場合がある適用温度帯、設備効率、初期費用

いずれか一つの自然冷媒が、すべての冷凍冷蔵倉庫に適しているわけではありません。保管品、必要温度、設備規模、運転時間、地域の気候、保守会社の対応範囲などを整理したうえで、複数案を比較することが重要です。

なぜフロン類から自然冷媒への転換が進められているのか

従来の冷凍冷蔵設備では、化学的に安定しており、機器で扱いやすいことなどからフロン類が広く使用されてきました。CFCやHCFCといった特定フロンはオゾン層を破壊するため、生産・消費の廃止が進められ、その代替としてHFCが普及しました。

HFCはオゾン層を破壊しない一方で、種類によっては高い温室効果を持ちます。このため、現在はHFCを含むフロン類から、よりGWPの低い冷媒や自然冷媒への転換が進められています。

ただし、現在使用しているHFC冷凍機が直ちに使用禁止になるという意味ではありません。既存設備については、適切な点検、修理、冷媒管理を行いながら使用できます。一方、フロン類の段階的な削減が進むことで、将来的な冷媒の供給状況、補充費用、保守体制、更新用機器の選択肢が変化する可能性があります。

冷凍冷蔵設備は長期間使用するため、更新時には現在の機器価格だけでなく、今後の冷媒供給や設備保守の継続性も確認することが重要です。

フロン排出抑制法と自然冷媒の関係

業務用の冷凍冷蔵機器のうち、冷媒としてフロン類が使用されている機器は、フロン排出抑制法上の第一種特定製品に該当します。機器の管理者には、点検、点検・整備記録の保存、漏えいが確認された場合の修理、廃棄時の冷媒回収などが求められます。一定規模以上の機器については、専門的な定期点検も必要です。

一方、二酸化炭素、アンモニア、空気、水など、冷媒としてフロン類を使用していない冷凍冷蔵機器は、フロン排出抑制法の対象外です。

ただし、フロン排出抑制法の対象外であることは、点検や安全管理が不要であることを意味しません。設備の能力や冷媒の種類によっては、高圧ガス保安法、冷凍保安規則、労働安全、消防、建築設備などに関する確認が必要です。

自然冷媒を採用する際には、「フロン法の対象外になる」という点だけで判断せず、代わりにどのような安全設備、点検、届出、保守管理が必要になるのかを確認しなければなりません。

二酸化炭素冷媒の特徴

二酸化炭素冷媒は、一般に「CO₂冷媒」または冷媒番号から「R744」と呼ばれます。温暖化への影響が小さく、不燃性であることから、冷凍冷蔵倉庫、食品工場、店舗用冷凍冷蔵設備などで採用されています。

冷凍冷蔵倉庫では、CO₂を冷凍サイクルに直接使用する方式のほか、アンモニアなどでCO₂を冷却し、そのCO₂を倉庫内の冷却器へ循環させる方式もあります。施設の規模や温度帯、配管距離などに応じて設備方式を選定します。

CO₂冷媒を使用する設備では、フロン系冷媒と比較して高い圧力で運転するシステムが多いため、冷凍機、配管、継手、バルブ、安全弁などに対応した仕様が必要です。既存のフロン設備にCO₂冷媒だけを入れ替えることはできず、原則としてCO₂冷媒に対応した設備へ更新しなければなりません。

また、CO₂は無臭で、漏えいしても人が臭いで気づくことができません。機械室、地下ピット、閉鎖空間などに高濃度で滞留すると、酸素欠乏につながる可能性があります。このため、換気、漏えい検知、警報、設備停止、保守作業時の安全手順などを計画する必要があります。

経済産業省は、CO₂冷媒を使用する冷凍設備の修理中に発生した事故を踏まえ、修理・保守時の法令遵守と安全確保を求めています。設備導入時だけでなく、運用開始後の保守体制まで確認することが重要です。

アンモニア冷媒の特徴

アンモニア冷媒は、一般に「NH₃冷媒」または「R717」と呼ばれます。熱を運ぶ性能が高く、大型冷凍冷蔵倉庫や食品工場などの産業用設備で長く使用されてきました。

アンモニアは高いエネルギー効率を得やすい一方、毒性と可燃性を持つため、漏えいを前提とした安全設計が必要です。設備の規模や方式に応じて、専用機械室、換気設備、漏えい検知器、警報、緊急停止、除害設備、立入制限などを検討します。

高圧ガス保安協会では、二酸化炭素やフルオロカーボンを使用する冷凍空調設備と、アンモニアを使用する設備について、それぞれ施設基準を整備しています。

近年では、アンモニアを主に機械室周辺で使用し、倉庫内にはCO₂を二次冷媒として循環させる方式も採用されています。アンモニアの使用範囲を限定しやすい反面、熱交換器、ポンプ、二次側配管などが必要となるため、設備構成や建設費を個別に比較する必要があります。

炭化水素冷媒・空気冷媒の特徴

プロパンやイソブタンなどの炭化水素冷媒は、温暖化への影響が小さく、高いエネルギー効率を得やすい場合があります。一方で可燃性があるため、冷媒充填量、設置区画、換気、防爆、漏えい検知、火気管理などの安全対策が必要です。

家庭用冷蔵庫や小型設備では導入が進んでいますが、大型冷凍冷蔵倉庫で採用する場合は、施設規模や冷媒量に応じた慎重な検討が必要です。単に「自然冷媒だから環境に優しい」という理由だけで採用せず、火災・爆発リスクを含めて評価しなければなりません。

空気冷媒は、空気そのものを冷媒として使用する方式です。超低温設備や急速凍結設備などで適用される場合があります。可燃性や毒性のある冷媒を使用しないという利点がありますが、一般的な冷蔵温度帯を含め、すべての用途で効率的になるとは限りません。

必要温度、設備容量、運転時間、初期費用などを比較し、対象施設に適した方式かどうかを判断する必要があります。

既存設備の冷媒だけを自然冷媒へ入れ替えられるか

既存の冷凍機をそのまま使用し、充填されているフロン系冷媒だけを自然冷媒へ交換できないかと考える発注者もいます。しかし、冷媒が変われば、使用圧力、潤滑油、配管材料、圧縮機性能、バルブ、安全装置、制御方法などの条件も変わります。

そのため、フロン類を使用する既存設備へ、メーカーが認めていない自然冷媒を充填することは避けなければなりません。特に炭化水素冷媒は可燃性を持つため、不燃性冷媒を前提として設計された設備へ安易に充填すると、安全上の重大な問題につながる可能性があります。

環境省も、フロン類を使用する冷凍空調機器に炭化水素などの自然冷媒を入れるレトロフィットについて、機器が自然冷媒の使用を前提として設計されていないことから注意を呼びかけています。

既存倉庫を自然冷媒化する場合は、原則として自然冷媒に対応した冷凍機へ更新し、配管、冷却器、制御盤、安全設備などを含めてシステム全体を見直します。

一部の低GWP冷媒への転換についても、既存機器へ冷媒だけを充填すればよいわけではありません。機器製造者による適合確認や、設備の設計圧力、使用材料、潤滑油、安全装置、運転条件などの検証が前提となります。

自然冷媒設備への更新と、既存設備で使用するフロン類を別の低GWP冷媒へ変更することは、必要な設備改修、安全対策、法令上の確認事項が異なります。発注者が独自に判断せず、冷凍機メーカーや専門施工会社へ相談し、設備全体として安全に運転できることを確認する必要があります。

自然冷媒導入前に建築側で確認すべきこと

自然冷媒設備の導入は、冷凍設備会社だけで完結するものではありません。採用する冷媒やシステムによって、機械室面積、設備基礎、構造荷重、換気、排水、電源、配管ルート、設備搬入経路などが変わるため、基本設計の初期段階から建築・構造・電気・冷凍設備を調整する必要があります。

機械室の面積と配置

機械室では、冷凍機、熱交換器、ポンプ、受液器、制御盤などを設置する面積だけでなく、点検通路、修理スペース、部品交換スペース、将来の機器搬出入経路も確保しなければなりません。

アンモニアを使用する場合は、機械室の換気、開口部、漏えい検知、周辺区画との分離などが重要です。CO₂を使用する場合も、漏えいしたガスが滞留しにくい計画とし、必要な換気・警報設備を設けます。

設備基礎と構造荷重

屋上や上階に冷凍機、冷却塔、配管、タンクなどを設置する場合は、設備重量や運転時の振動を考慮した構造計画が必要です。既存建物へ設備を追加する場合は、既存構造の耐荷重を確認し、必要に応じて補強します。

屋上設置では、機器の交換に必要なクレーン作業、メンテナンス動線、配管貫通部の防水、騒音・振動対策も確認が必要です。

電源容量

自然冷媒設備の必要電力は、冷凍機本体だけで決まるものではありません。ポンプ、ファン、冷却塔、除霜ヒーター、床下ヒーター、換気設備、安全設備、制御盤などの電力も含めて計画します。

既存倉庫で電力容量が不足する場合は、キュービクル、変圧器、幹線、分電盤などの増設・更新が必要になることがあります。冷凍機本体の見積だけを確認していると、受変電設備工事が別途となり、総予算が大きく増える可能性があります。

配管ルートと設備搬入経路

冷媒配管は、圧力、温度、配管長、保温、防露、振動などを考慮して計画します。後から配管ルートを変更すると、建築躯体、防火区画、ラック、照明、スプリンクラーなどと干渉する可能性があります。

また、設備の新設時だけでなく、将来の更新時に大型機器を搬出入できる経路も確認しておくことが重要です。壁や屋根を大規模に解体しなければ機器を更新できない計画では、将来の更新費と休業期間が増加します。

既存冷凍冷蔵倉庫の設備更新で確認すべきこと

既存の冷凍冷蔵倉庫では、設備を停止すると庫内温度を維持できなくなるため、一般倉庫よりも更新工程の管理が重要です。

設備更新前には、既存冷凍機の系統、冷媒種類、冷媒量、設備能力、設置年、故障履歴、配管状態、電気容量、保管温度帯などを整理します。そのうえで、どの設備を、どの順番で停止・更新するかを決定します。

複数の冷凍機や冷却系統がある場合は、一部の設備を稼働させながら系統ごとに更新できる可能性があります。一方、一つの設備で倉庫全体を冷却している場合は、仮設冷凍機の設置、保管品の一時移動、外部倉庫の利用、工事期間中の休業などが必要です。

また、フロン類を使用した既存設備を撤去・廃棄する際には、フロン排出抑制法に基づき、冷媒を適切に回収する必要があります。冷媒を回収したことが確認できない機器は、廃棄物・リサイクル業者へ引き渡すことができません。

冷凍機だけを新しくしても、配管、冷却器、断熱材、防熱扉、床下ヒーターなどが老朽化していれば、新しい設備の性能を十分に発揮できない可能性があります。設備更新時には、倉庫外皮の断熱性能、扉の開放時間、冷気漏れ、結露、着霜なども調査し、冷却負荷そのものを減らす改修を検討することが重要です。

自然冷媒設備は建設費を高くするのか

自然冷媒設備は、設備方式や施設条件によっては、従来のフロン設備より初期費用が高くなる場合があります。しかし、冷凍機本体の価格だけで単純に比較することはできません。

自然冷媒に対応した冷凍機、専用配管、安全装置、制御設備、機械室、換気設備、漏えい検知設備などが必要になる一方、設備方式によっては冷媒量を抑えられる場合や、運転効率を改善できる場合があります。

建設費への影響は、少なくとも次の項目に分けて整理する必要があります。

  • 冷凍機、冷却器、熱交換器などの設備本体
  • 機械基礎、架台、機械室、防音などの建築工事
  • キュービクル、変圧器、幹線などの電気設備工事
  • 換気、漏えい検知、警報、緊急停止などの安全設備
  • 既存設備の撤去、冷媒回収、配管更新
  • 仮設冷凍機や商品の一時保管に必要な費用
  • 試運転、性能確認、操作教育
  • 設備停止や休業による事業上の影響

冷凍設備会社の見積にどこまで含まれているかを確認し、建築工事、電気工事、安全設備、撤去工事との責任分界を明確にしなければなりません。

自然冷媒設備に対応できるメーカーや施工会社は、冷媒や設備方式によって異なります。仕様を早い段階で一社の方式に限定すると、見積比較が難しくなる可能性があります。基本計画段階で複数メーカーから設備案、概算費用、納期、保守体制を確認することが重要です。

初期費用だけでなくライフサイクルコストを比較する

冷凍冷蔵設備は、長時間にわたって継続運転される設備です。そのため、初期建設費だけでなく、電気料金、保守費、冷媒補充費、部品交換費、点検費、修理費、将来の更新費まで含めたライフサイクルコストを比較する必要があります。

自然冷媒設備には高い省エネルギー性能を持つ製品がありますが、自然冷媒を採用しただけで、必ず電力使用量が減るわけではありません。必要温度、外気温、冷却負荷、部分負荷時の制御などに適した設備でなければ、想定した効果を得られない可能性があります。

年間消費電力量を比較する際は、機器の定格性能だけでなく、月別の外気条件、保管量、入出庫量、扉の開閉、除霜運転などを考慮したシミュレーションを確認することが望まれます。

また、冷凍機から発生する排熱を給湯、除霜、床暖房などへ利用できる場合があります。食品工場を併設する施設や給湯需要がある施設では、排熱回収によって施設全体のエネルギー使用量を抑えられる可能性があります。ただし、排熱が発生する時間と熱を必要とする時間が一致するか、貯湯設備が必要かといった条件を確認する必要があります。

自然冷媒設備に利用できる補助金

2026年度は、環境省の「コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業」により、冷凍冷蔵倉庫、食品製造工場、食品小売店舗における脱炭素型自然冷媒機器の導入費用の一部を補助する制度が実施されています。

冷凍冷蔵倉庫や食品製造工場に導入する場合、通常の補助率は対象経費の3分の1以下です。一方、所定の先進性要件を満たす中小企業のうち、採択審査の評価が上位20%以内となった事業者には、2分の1以下の補助率が適用される可能性があります。すべての中小企業に2分の1が適用されるわけではない点に注意が必要です。

また、自然冷媒を使用する設備であれば、自動的に補助対象となるわけではありません。対象事業者、対象設備、省エネルギー性能、補助対象経費、事業期間、既存設備との比較など、公募要領に定められた条件を満たす必要があります。

交付決定前に契約や発注を行うと補助対象外となる可能性があるため、補助金を利用する場合は、申請、交付決定、設計、発注、工事の工程を事前に整理する必要があります。

補助率、対象設備、公募期間、審査条件は年度によって変更される可能性があります。補助金の採択を前提に事業予算を確定するのではなく、不採択となった場合の資金計画も用意し、最新の公募要領を確認することが重要です。

発注者が自然冷媒導入前に確認すべきポイント

自然冷媒設備を検討する際は、まず現在および将来の保管品、必要温度、保管量、入出庫量、設備稼働時間を整理します。そのうえで、CO₂、アンモニア、アンモニア・CO₂方式など複数の設備案について、初期費用、年間電力使用量、保守費、安全設備、必要面積、更新時の停止期間を比較します。

設備方式の検討時には、次の事項を確認することが重要です。

  • 必要温度と冷凍能力に適した冷媒か
  • 設備停止時にも保管温度を維持できるか
  • 冷凍機やポンプに予備能力があるか
  • 機械室や設備基礎を確保できるか
  • 既存の電力容量で対応できるか
  • 換気、漏えい検知、警報設備が必要か
  • 配管ルートと設備搬入経路を確保できるか
  • 地域で保守対応できる会社があるか
  • 設備更新中の商品保管方法を決めているか
  • 建築・電気・冷凍設備の工事区分が明確か
  • 補助金を利用しない場合でも事業が成立するか

冷凍設備の性能だけでなく、建築条件、保守体制、事業継続性まで含めて判断することが重要です。

冷凍冷蔵倉庫の自然冷媒には、二酸化炭素、アンモニア、空気、炭化水素などがあります。自然冷媒は、フロン類と比較して地球温暖化への影響を抑えやすく、HFCの生産・消費量削減が進むなかで、設備更新時の重要な選択肢となっています。

一方、自然冷媒は種類によって高圧、毒性、可燃性などの特性が異なります。冷凍機本体だけでなく、機械室、換気、漏えい検知、配管、電源、設備基礎、安全管理などを含めて計画しなければなりません。

既存設備についても、フロン系冷媒を自然冷媒へ入れ替えるだけでは対応できません。原則として自然冷媒に対応した設備へ更新し、配管、冷却器、制御盤、安全設備などを含めてシステム全体を見直す必要があります。低GWP冷媒への変更を検討する場合も、機器製造者による確認と、設計圧力や材料、安全装置などの検証が前提です。

建設費を比較する際は、設備本体価格だけでなく、建築付帯工事、電気設備、安全設備、既存設備の撤去、冷媒回収、仮設設備まで含めた総事業費を整理することが重要です。さらに、電気料金、保守費、将来の冷媒供給、設備更新費を含めたライフサイクルコストを比較し、施設の用途と運用条件に適した設備方式を選定する必要があります。

【重要事項】

本記事は、冷凍冷蔵倉庫における自然冷媒設備について、一般的な考え方を整理したものです。適用される法令、届出・許可、安全基準、設備仕様は、冷媒の種類、冷凍能力、設備方式、設置地域、建物用途などによって異なります。また、補助金の対象条件、補助率、公募期間は年度ごとに変更される可能性があります。具体的な設備計画にあたっては、最新の法令および公募要領を確認し、冷凍設備メーカー、設計者、施工会社、保安関係の専門家ならびに所管行政機関へご相談ください。

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